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科目 ツツジ科
原産国 日本
花の色 白,赤,ピンク,紫,緑,複色
大きさ 高さ50㎝~1.5m
皐月に咲く日本固有の花
日本の固有種で、原種は渓流に沿った岩肌に自生します。1,500種を超える園芸品種があり、多種多様な花を楽しむことができます。名前は皐月(陰暦)に咲くことに由来します。
育て方
常緑の低木で、関東から西に広く分布し、渓流沿いの岩肌など、川が増水すると水没するような厳しい環境に自生しています。サツキはツツジの品種のひとつで、江戸時代中期のツツジブームで数多くの園芸品種が作られる中、花の開花時期によって、ツツジとサツキが区別されるようになりました。4月~5月中旬に開花するものを「ツツジ」、5月下旬~6月上旬に開花するものを「サツキ」と呼びます。
耐寒性、耐暑性に強く、日本原産の植物なので、初心者でも育てやすいと言われます。
用土は、弱酸性で水はけと水もちの良い土が適しています。市販されているサツキやツツジ専用の土を利用する方法もあります。鉢植えの場合は、赤玉土小粒5、鹿沼土小粒3、酸度未調整のピートモス2の割合で混ぜた土がお勧めです。庭植えの場合は、庭土に3割程度のバーク堆肥(腐葉土)を混ぜ合わせて植えつけます。
肥料は、花の開花後から7月上旬まで、緩効性化成肥料や固形の油かすを月に1回施肥します。その後は、9月上旬~10月、2月に各1回施肥します。
ふやしたい場合は、さし木で簡単にふやすことができます。6月~7月に今年伸びた充実した枝を8~10㎝ほどに切って、鹿沼土や市販のさし木用の土にさします。直射日光を避け、水やりをして土が乾かないよう管理すれば、容易に発根します。絞り花の品種は絞り花が出ている枝を、咲き分け品種(1株にさまざまな模様の花を咲かせるもの)は単色の多くなっている枝を避け、絞り花の枝を選ばないと、親と同じ花が咲かないので注意が必要です。
主な作業としては、剪定があります。サツキは、夏の間に翌年の花芽を枝先につくるので、剪定作業は花後なるべく早く行います。夏以降の剪定は、花芽を切り落としてしまうので、翌年花がつきません。伸びすぎた枝を中心に、全体を軽めに刈り込みます。枝数が多く、芽吹きも良いので、自分の好みの形に仕立てることもできます。
育成に適した環境
庭植えの場合は、日当たりの良い場所に植え付けます。半日ほど日が当たれば大丈夫です。鉢植えの場合は、開花期は室内でも観賞できますが、基本的には戸外で管理します。日当たりに置きますが、夏は半日陰で乾燥を防ぎ、冬は乾燥した寒風に当たらない場所へ移動させます。耐寒性、耐暑性とも強いですが、アザレアなどの寒さの弱い品種と交配している場合は、冬は霜のあたらない場所で管理します。
植え付けの時期
苗木の植え付けは、開花期をのぞく3月~6月、9月下旬~10月が適期です。鉢植えは、株の根に着いた土を1/3ほどくずして、深植えにならないように大きめの鉢に植え付けます。
庭植えは、根鉢の直径約3倍の穴を掘ってよく耕し、根株の土を半分くらい落として根をほぐし、浅く植え付けます。購入時に苗木が小さかったり、小さな鉢に植えられている場合は、1年ほど鉢植えで育ててから、庭植えしたほうが安心です。
鉢植えの場合は、2~3年に1回植え替えをします。
水やり
地表近くに細い根を張るため、乾燥に弱いです。土が乾いたら、根腐れしない程度に、たっぷり水をあげます。春は成長が著しいので、乾燥させないように注意が必要です。庭植えの場合は、基本は水やりの必要はありませんが、夏の晴天が続くような場合は、夕方に水やりします。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをし、夏は乾燥しやすので、場合によっては朝と夕方の2回水やりをします。
気を付けたい病気
ツツジグンバイムシに注意が必要です。乾燥期に発生し、葉の汁を吸って白く変色させます。見つけたら薬剤を散布します。風通しが悪いと発生するので、剪定で風通しを良くすることで予防できます。花が咲かない場合は、新芽やつぼみの内部を食べるベニモンアオリンガが原因の可能性があります。こちらも薬剤を散布して駆除します。
多種多様な品種が魅力の花
園芸が盛んだった江戸時代には、ツツジブームがあったほど、サツキやツツジは日本人が昔から親しんできた花です。盆栽としても人気があるそうです。道路の植え込みや、生け垣に植えられているほど寒さや病気に強く、初心者でも育てやすい花です。白や、赤、ピンクや紫など多様な花の色、ひと株で様々な花を咲かせる咲き分け品種など、本当にたくさんの品種があるので、自分好みの花を選ぶところから楽しめそうです。

