記事の詳細

科目  ボタン科

原産国  中国東北部~シベリア(ユーラシア大陸の東北部)

花の色  赤、ピンク、白、黄、複色

大きさ  高さ60~120cm

立てば芍薬、美人の代名詞

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われ、美人の代名詞にぴったりの豪華でエレガントな花を咲かせます。

育て方

日本へは平安時代ころに薬草として伝えられて以来、観賞用として多数の園芸品種がつくられてきました。これらは「和シャクヤク」と呼ばれ、一重咲きや翁咲きなど、比較的シンプルですっきりした花形のものが多くなっています。ヨーロッパで育成された品種「洋シャクヤク」は、手まり咲きやバラ咲きなど、花びらが多く、香りも強いです。最近は、両方の交配による新しい品種や、ボタンとの交配種もつくられています。
ボタンとシャクヤクは同属の植物ですが、ボタンは「木」なのに対し、シャクヤクは冬になると地上部の茎葉が枯れて根の状態で休眠する「草(多年草)」に分類されます。

用土は、水はけのよい土を好みます。鉢植えの場合は、赤玉土(中粒)4・鹿沼土4・腐葉土1〜2・もみ殻燻炭1のなどの割合で混ぜた土を使用します。庭植えの場合は、植え穴に完熟堆肥や腐葉土を1/3ほど混ぜ込み、1〜2週間ほど寝かせたものを使います。
肥料は、不足すると花が咲きにくくなるため、植え付け時の緩効性化成肥料に加え、年4回の追肥を施します。(早春の芽出し肥、花後のお礼肥、翌年の花芽ができる秋、冬の寒肥)花を大きく育てるには、リン酸を多く含んだ肥料が有効です。

ふやしたい場合は、株分けでふやします。
夜温が下がり、地下部の成長が始まる9月~11月が適しています。植え替えと同時期に行います。十分に育った株を土から掘り起こし、根回りの土を落とします。それぞれの株に2つ以上の芽がつくように、切り分けます。切り口から腐ることがあるので、必ず殺菌消毒をします。何年も据え置くので、大きめの植え穴を掘って、堆肥などをよく混ぜてから植え付けます。

主な作業としては、「殺菌剤の散布」と「摘蕾」、「花がら摘み」、「芽かき」などがあります。
殺菌剤の散布は、灰色かび病でつぼみが咲かないことを防ぐため、まだ芽出しのころから数回、予防策として行います。花がら摘みは、咲き終わった花を早めに切り取り、病気の予防と、実ができて株が消耗することを防ぐために行います。また、株が大きくなると芽がたくさん出ますが、全てを育てると株全体に栄養が行き渡らなくなります。そのため、1本の茎につぼみがひとつだけになるように、頂点の大きなつぼみ以外を摘み取る摘蕾も行います。このほか、余分な茎を取りのぞく芽かきの作業で、風通しをよくして、病害虫を防ぎます。

育成に適した環境

耐寒性は強く、耐暑性は普通です。日当たりと水はけがよく、肥沃で、乾燥しない場所が適した環境です。
冷涼地のほうが育てやすいですが、暖地でも十分に育てられます。日陰だと花付きが悪くなるので、日当たりの良い場所で育てます。地中が高温になると根が弱るので、葉によく日が当たり、地表は陰になるような環境が理想的です。庭植えの場合は、株元を腐葉土や敷きワラで覆うことで地温の上昇を防ぎ、鉢植えの場合は、二重鉢にして鉢内の温度の上昇を防ぎます。
また、開花時期は、強い風や雨に当たらない場所に置くことで、長く花を楽しむことができます。耐寒性は強いので、冬の防寒対策は不要です。

種まきの時期

種は出回っていないので、自分で育てた株から採取します。花が咲いた後、8月~9月に実ができたら、完熟した種を取り出します。水をたっぷり入れたバケツの中に種を入れて、浮いてきた種は捨てます。脱脂綿の上に種を5~7日間ほど置いたら、鉢植え・庭植えともばらまきにして、土をかぶせます。土が湿った状態で、風通しの良い日陰で管理すると、翌年の春に発芽します。
株が育ってきたら、9月~10月の適期に、鉢か庭に植え付けます。鉢植えの場合は、8~10号のなるべく大きく深い鉢を用意し、鉢底にゴロ土を敷き、1/3ほど土を入れます。苗を表面から5cmの深さに植えて、たっぷりと水やりをしたら、風通しの良い半日陰で管理します。庭植えの場合は、風通しの良い半日陰に、深さ50cm、幅30~40cmの穴を掘って、2週間かけて土づくりをします。芽が土の表面から5cmほど出るように、苗を植え付けます。
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐため、2~3年ごとに植え替えます。9月~10月が適期です。庭植えの場合は、根が繊細で定着まで時間がかかるので、植え替えを嫌います。一度植えつけたら、あまり動かさず、5~10年は据え置きにします。

水やり

乾燥を嫌うので、鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。庭植えの場合は、ほとんど不要ですが、雨量が少なく極端に乾燥するときは、地中深く染み込むように、たっぷりと水やりをします。

気を付けたい病気

気を付けたい病気は、うどんこ病、灰色かび病、葉枯れ病です。
灰色カビ病は、褐色の斑点と灰色のカビが葉やつぼみに発生する病気で、病変部分が溶けるように腐ります。また、つぼみの場合咲く前に黒く枯れてしまうこともあります。予防策として、定期的に殺菌剤を散布し、水はけのよい土に植え付けて、風通しを良くします。
立ち枯れ病は、土の中に病原菌により、根元から腐って枯れてしまう病気です。予防策として、植え付ける用土は清潔なものを選び、腐葉土などの有機質は完熟したものを使うようにします。
気を付けたい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウ、コウモリガの幼虫などです。
春~夏にかけて、高温多湿の環境で発生しやすくなります。予防策として、定期的に殺虫剤を散布すること、風通しよくすることなどが効果的です。
ネコブセンチュウは、根に付く目では見えない小さな虫で、生育を著しく衰えさせます。被害が進んだ株は、処分します。地中にいるので、地上からの殺虫剤は効果がありません。予防策としては、土壌環境を日頃から良くしておくことが効果的です。

毎年鑑賞できるエレガントな花

シャクヤクは、何と言ってもピンクや赤の華やかな大輪の花が魅力です。花束や切り花としても利用され、ウェディングブーケでも人気の花だそうです。
それほど手間がかからず、きちんと芽かきや摘蕾などの日常の管理を行っていれば、毎年美しい花を咲かせてくれます。シンプルな和シャクヤク、ゴージャスな洋シャクヤク、どちらを植えても、それだけで庭が明るくゴージャスな空間になりそうです。

ガーデニング  ガーデニング

関連記事

ページ上部へ戻る
このサイトは個人が運営しています。