サザンカの種まきの時期と開花時期は?

gardening

科目 ツバキ科

原産国  本州の山口県、四国、九州、沖縄

花の色 白、ピンク、赤、複色

大きさ 高さ2m~6m
ガーデニング資格を通信講座で取得できる諒設計アーキテクトラーニング
ガーデニング資格のガーデニングアドバイザー

目次

晩秋に咲く日本人になじみの深い花

日本の固有種で、野生種は10月~12月の晩秋、白い花を咲かせます。童謡「たき火」の歌詞にも登場するように昔から親しまれ、300近い園芸品種があります。

育て方

基本的な性質はツバキと似ていますが、ツバキは早春から春に咲き、サザンカは晩秋に咲きます。ツバキの花は丸ごと落ちますが、サザンカは1枚ずつばらばらに落ちます。サザンカの園芸品種は、花の咲く時期や花の形から3つの園芸品種群、野生のサザンカに生態の近い「サザンカ群」、11月~2月にかけて咲き続ける「カンツバキ群」、ツバキとサザンカの交雑種の「ハルサザンカ群」に分類されます。

用土は、水はけが良く、有機物の多い弱酸性の土でよく育ちます。水はけや、水もちの悪い土に植える場合は、腐葉土を混ぜ込んでおきます。
肥料は、幼木のうちは毎年与えますが、成木は2年に1回程度与えます。肥料が不足すると、下の方から葉っぱが枯れやすくなり、枝が成長せずに花つきも悪くなります。庭植えの場合は、2月に有機質肥料を株元に施肥します。鉢植えの場合は、3月に化学肥料を株元に施肥し、花が咲き終わったら追肥します。

ふやしたい場合は、さし木やとり木をします。
さし木は、6月下旬~8月に行います。春から伸びた枝から10~20cmほどの穂木をとり、切り口を斜めに切って1時間ほど水につけ、水あげ後、清潔な土にさします。さし木をした容器は、穴をあけた透明なビニールで覆い、直射日光を避けた明るい場所で管理します。順調に発根すれば、その年の9月には鉢に植え替えられます。
とり木は、3月~6月に行います。枝の樹皮を3cm幅ではぎ取って、湿らせた水ゴケで包み、さらにビニール袋で覆います。水ゴケが乾く前に水分を補給し、乾燥しないように管理すると、1~3カ月後には、鉢に植え替えられます。

主な作業としては、花がら摘みと剪定の作業があります。花がら摘みは、果実に栄養を取られないように、花が咲き終わった花がらを、子房ごと摘みとります。
剪定は、花が咲き終わって新しい花芽が形成される3月~4月に行います。あまり剪定しなくても、ある程度樹形がまとまり、花も咲きます。ただ、新しく伸びた枝の先に花芽をつけるため、毎年花の咲く位置が少しずつ高くなるのを剪定することで調整できます。
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育成に適した環境

鉢植え、庭植えとも日当たりの良い温かい場所でよく育ちます。半日陰でも育ちますが、花つきは悪くなります。耐寒性は弱いので、冬の乾いた風にあたる場所は避け、マイナス5℃以下になるようであれば、防寒対策をします。

種まきの時期

種まきの場合は、10月中旬以降に種を採取後すぐにまくか、保存して3月中旬頃にまきます。花が咲くまでに、庭植えの場合で5~7年、鉢植えの場合は3~4年かかります。
苗を植え付ける場合は、春は3~4月、秋は9~10月の、気候が穏やかな時期が適期です。
鉢植えは、苗よりも1~2回りほど大きな鉢を準備し、鉢底に、有機質肥料か緩効性の化成肥料を元肥として入れておきます。根をほぐして広げてから、植え付けます。庭植えも、植え穴に有機質肥料か緩効性の化成肥料を元肥として入れておきます。日当たりと風通しが良く、アルカリ性の土 (建物の基礎、コンクリートブロックの近くなど)を避けた場所に植えます。苗の根を広げながら、深さ30cmほどの穴に、浅く植え付けます。強風で倒れることもあるので、支柱を立てておくとよいです。

水やり

庭植えの場合、一度根づくと、基本的には水やりの必要はありません。自然の降雨だけで育ちますが、乾燥する日が続いた場合は、たっぷりと水やりをします。また、植え付け直後の1週間は、水やりをします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水がしみ出すくらい、たっぷりと水やりをします。春の新芽が伸びる時期、夏の乾きやすい時期には、特に水やりを忘れないようにします。

気を付けたい病気

気をつけたい病気は、もち病です。もち病は、その名の通り、葉が焼いた餅のようにふくれます。ツバキ類は感染しやすく、ふくれた葉に白いカビが生え、枯れてしまいます。4~6月に発生しやすいですが、広がりは遅いので、被害が少なければ病変のある葉を取りのぞく程度で、被害を抑えることができます。もし、被害が深刻になってしまった場合は、薬剤を散布して対処します。
また、特に気をつけたい害虫は、チャドクガの幼虫(毛虫)です。5月~6月と8月~9月の年2回発生時期があり、葉を食害するほか、毒毛に触れるとかぶれや発疹、かゆみを引き起こします。黄色い卵が葉裏についていたら、葉ごと切り取って処分します。卵からかえってしまった場合、しばらくは集団で葉を食害するので、集団でいるうちに捕殺するか、殺虫剤を散布します。見つけ方のポイントとしては、葉や地面に小さなふんが落ちているところを探します。幼虫を捕殺する場合は、手袋と皮膚の露出も抑えた服装で行います。毛が1本でも衣服内に入ると移動して広範囲に発疹が広がります。また、脱皮した抜け殻や死骸に触れてもかぶれるので注意が必要です。適切に剪定を行って、風通しをよくすると発生しにくくなります。
カイガラムシも風通しが悪いと発生しやすくなります。樹液を吸い、排せつ物によって黒いすす状のカビが発生する、すす病の原因にもなります。サザンカでは数種類のカイガラムシが発生しますが、ルビーロウムシの発生が多く見られます。幼虫は、5月中旬~6月に発生し、移動して広がるので、接触毒性の薬剤を散布するのが有効です。成虫は体がロウ質で覆われるため、薬剤が効きにくいですが、見つけたら竹べらなど樹皮を傷めないものでこすり落とします。
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花の少ない時期に楽しめる花

花が少ない晩秋に咲き、日本では昔から庭や垣根に植えられてきました。特に江戸時代は、花ごと落ちる様子が斬首刑を思わせるツバキを避け、サザンカを植える武家屋敷が多かったそうです。日本の固有種で、気候も合っているので、育てやすいと言えます。園芸品種も多く、花の色もピンクや白、赤などがあり、好みの色や花の形を選んで育てる楽しみもあります。

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