日本人にとって竹は身近な存在です。生活の中にも竹を使った道具が沢山あり、今日でも使われています。また、竹は鑑賞用としても庭だけでなく、ビルの中にある坪庭、レストラン、ホテルなどの庭でも和風の空間を演出する日本の代表的な植物として活用されています。
竹は幼いころから身近にある植物なので自然と伸びて育っているイメージがありますが立派な竹を楽しむためには、竹の品種にあった育て方と手入れの仕方の2つ作業が必要です。
竹の育て方
竹は、何もしなくても日光があたる場所では育ちますが、西日が当たる乾燥した環境は苦手です。しかし、半日陰の場所でも育ちます。
竹の成長は早いので、株が成長して丈も伸びてくると株元に陽が当たらなくり、日陰を作ってしまいます。そのため、最初に植える本数宇を考えて植えることが大事です。複数植えると日陰の面積も広くなります。
竹を鉢で楽しみたい場合は、鉢植えに適した品種を選び、こまめに根を詰めたり植替えをしたりします。竹は鉢植えすると、株の土の下にある茎や根の生長が早いため、陶器やプラスチックの鉢を割って根や茎が出てしまいます。
鉢植え用で観賞用の竹の品種はありますが、盆栽などの知識がないと育て方が難しいです。
竹はほったらかしにしていても育ちますが、冬の寒さや寒風に当ると、笹の色が薄い白色のように変化してしまいます。また、笹と笹がこすれて切れてしまうこともあります。
また、丈夫な竹でも害虫に侵されることがあります。特にアブラムシは春先から発生しやすいので注意が必要です。この対策として、2月頃から専用の薬剤散布をしておくと効果的です。
竹を購入して植付けをする際、すぐに植える場合は良いですが、少し時間を置く場合は、出来るだけ竹の根、特に細い根を乾燥させないことがポイントです。竹の植付け時期は、タケノコが出てくる一月位前が適時です。タケノコが出てきてからの植付けは遅いです。竹を地植えにする場合、できるだけ風邪が当たらないところに植えると生育も良く、立派な竹に早く成長してくれます。
竹の手入れの仕方
竹は盆栽用・庭木用と竹林で大きく成長する竹などの品種があります。多くの竹の品種は、手入れもしないでほったらかしにしていると10~15メートルくらいまで伸びてしまいます。まわりに民家がない里山の竹林ならば、そのままでもいいですが、住宅街では、落ち葉が飛んで来たり、風の日などは竹と竹が重なり合って音がでたりするため、迷惑にもなってしまいます。
竹の手入れの仕方は、周りに迷惑がかからない丈の長さを最初に決めます。次にその長さのところまで育った時点で一番上にある「生長点」を摘みます。この作業によって、竹はそれ以上伸びなくなります。大体15節位が管理しやすい竹の丈です。また、枝は3~4節位で芽の先を摘むと、竹の樹形も整いやすいです。
さらに、竹の地下に伸びている茎や根は、ニュースでも時々取り上げられるように広範囲に伸びてしまい家の畳や床を突き抜けて新芽が伸びてしまうこともあります。そのため竹の株の周りに深さ30~40センチ位の溝を掘って、茎や根に太陽が当たるようにします。この溝を掘ることで、下に伸びている根や茎が長くのびることを防ぐことができます。
何もしなくても育つイメージがある竹ですが育て方や手入れの仕方を知らないと、後で大きく成長してしまい、途方にくれてしまいます。竹を上手に育てたり手入れをしたりして、日本の侘び・寂のある暮らしを堪能してみませんか。