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自分で大事に育てている野菜に病害虫が発生しているのを見るのはとてもショックですよね。病害虫を市販の農薬や殺虫剤で防除するのは簡単ですが、食の安全を大切に考えるならあまり使いたくないものです。そこで身近な食品や植物で作れる「自然な農薬」をご紹介します。
目次
食品を使った自然な農薬
牛乳
晴天の午前中に薄めずにそのまま霧吹きで葉についたアブラムシにふきかけると昼には乾燥してアブラムシの呼吸する穴をふさいで窒息死させることができます。使用後は膜が残らないようによく洗い流してください。
お酢
20倍から50倍に薄めて吹きかけます。レタスなどのように大きな野菜は濃いめにふきかけ、小松菜のような小さな野菜には薄めにふきかけます。週に一回ほど散布すると丈夫に育ちやすくなります。
ビール
なめくじの駆除に効果的です。なめくじの発生しそうなところにビールの入った小皿を置いておくとにおいに引き寄せられて集まり、そこで捕殺することができます。
コーヒー
吹きかけるとハダニの駆除に効果があります。砂糖が入っているものも使うことができます。なるべく濃いものが効果的で、インスタントコーヒーでも効果があります。
卵のカラ
卵のカラを砕いて地表に置いておくとネキリムシなど地中に潜んでいる害虫が引っ掛かり逃げていきます。
植物を使った自然な農薬
唐辛子
赤くなったものでも、その前の青いものでも効果があります。天日干しで保存するか鷹の爪として売られているものを使います。
スギナ
よく生えている雑草です。乾燥したスギナ6gに水1リットルを入れて5分間沸騰させて冷めたら粉石けん5gを溶かしたものを混ぜて、ガーゼでこしたものをそのまま吹きかけます。うどんこ病に効果があります。
ドクダミ
生のドクダミをマルチングの代わりに株元に敷いておくと、ネキリムシやコガネムシなどの害虫が強い臭いを嫌って逃げていきます。
ビワの葉
ビワの葉約10枚を1.8リットルの焼酎に一か月漬けておきます。この液を3倍に薄めてふきかけると軟腐病の特効薬になります。また、だいこんやキャベツの病気予防にも効果があります。
その他の素材を使った自然な農薬
ストチュウ
酢と酎ハイを混ぜたものをストチュウと呼んでいます。1リットルの水にお酢30ccとアルコール35度の焼酎を混ぜてふきかけます。お酢は病害虫の防除効果、焼酎は殺菌・消毒効果を同時に得られます。
木酢液
炭を焼いたときに出る煙を冷やして、液体にしたものを木酢液と呼びます。強い病害虫予防効果があります。家庭で木酢液を作るのは手間がかかり難しいので市販のものを購入するのが便利です。
最近では、市販のものでも農薬を使わずに天然成分でつくられた、野菜やハーブにとっても安心な薬剤がたくさん売られるようになりました。自然の薬剤は、市販の農薬や殺虫剤と違って成分がやさしいので、ちょっとくらい使ったぐらいでは効果がすぐにあらわれるものではありません。地道に病害虫の早期発見・早期駆除を心がけて毎日野菜に目をかけてやりましょう。また、自然のものとはいっても誤って目に入れたり、直接肌に触れて荒れたりかぶれたりしないよう十分に注意して使用するようにしましょう。

