ユリの花を翌年楽しむための2つの作業

ガーデニングのユリの育て方ときれいに咲かせるためのコツ

初夏頃から咲き始めるユリは、日本人とって馴染み深い植物の一つです。ヤマユリはその代表です。「古事記」や「万葉集」の中にもユリは記述されています。近年では、新しい品種が次々と登場してくるので、ユリの開花時期になると色とりどりの花を楽しむことができます。

ユリの花を翌年咲かせて楽しむためには、花後の作業が大事です。また、初めてユリの花を翌年に楽しみたいと思っている場合は、秋の球根の植付け作業が大事です。今年咲いたユリの花を翌年楽しむ場合と始めてユリの花を翌年楽しむ場合の2つの作業は、翌年の夏にユリの花を楽しむために必要な作業です。

花後の作業

ユリの花を翌年も楽しむためには、花後の作業として花が終わった後の花柄摘みと植替えが大事な作業です。花が終わってそのままにしておくと、種が出来てしまいます。種が出来る前に花柄を摘み取ることが大事です。また、ユリの茎は、枯れるまでそのままにしておくと球根を大きくすることができます。

鉢植えで育てているユリは、花が終わり茎も枯れて来たら植替えをします。鉢から球根を取り出し、古い土を取り除きます。ユリの球根はとてもデリケートなので、鉢から取り出した球根は球根用の殺菌剤の入った液の中に30分位漬けて置くことがポイントです。この作業によって、病気の予防を防ぐ効果があります。

この鉢植えの植替えは毎年行う必要はないですが、少なくても2年に一度くらいは行った方が良いです。植替えをしたユリの球根は成長も良くなるので、花数も多く期待できます。

一般的には、植替えをしたユリは風通しが良く夏の間は地面の温度が上がらない場所が適しています。また、あまり乾燥しすぎている場所も避けます。しかし、ユリは品種が豊富なので、品種によって管理の仕方も異なってくるため、確認することも大事です。品種によっては、半日陰で管理した方がよい品種もあります。

しかしながら、庭植えにしてあるユリは植替えしない方が成長も良く花も沢山さかせる品種も多いので、品種にあった育て方をすることが大事です。

植え付け作業

ユリの花を翌年楽しみたと思っている場合は、秋にユリの球根を植付けします。時期的には10月から11月中旬位までに行います。この時期に球根を植付けて冬の寒さが厳しくなるまでに球根の下根を伸ばしてあげます。

植付けの仕方ですが、鉢の5分の1位まで用土を入れます。用土は、小粒の赤玉と腐葉土を6対4の割合で混ぜたものです。その中に緩効性肥料を用土の量に合わせて配合します。球根は、球根の大きさの3倍ぐらいの深さで植えることがポイントです。あまり浅くても、深くでも良くないです。また、鉢の大きさにもよりますが、10号位の鉢の場合は球根3つ位が適しています。球根との球根の間隔は、球根が1~2個入るぐらい空けて次の球根を植え付けます。また、植付けをする球根は、下根が出ているので、その根を広げて植え付けます。そして上から用土で覆います。植付けが終わったら、水をたっぷりと与えます。

球根を植え付けた鉢は、陽当たりと風通しが良い所で管理します。鉢が凍らないように注意が必要です。また、庭がある場合は、鉢を縁の少し下のところまで地面に埋めて置いても冬越しすることができます。

翌年にユリの花を楽しみたいために、この秋に球根を植え付けする場合は、球根選びから始めます。夏の終わりごろになると園芸店では、すでにユリの球根が販売されています。球根を選ぶポイントは、大きさ、重さと締まり具合です。既に球根に目が出ている場合は、芽の数を確認します。小さい芽より大きい芽が一つある球根を選びます。また、球根に痛みや病気がないことも大事な確認ポイントです。

チューリップなどには茶色の薄皮がありますがユリの球根は、外側に薄皮のようなものがないので、園芸店などで購入してきたら出来るだけ早く植付けをすることが大事です。球根が既におがくずなどに入れられている場合でも出来るだけ早く植付けをすることが大事です。

ユリは、鉢植えや庭の地植えにしても花を楽しむことができますが、切り花としても室内を豪華にしてくれます。来年の夏にユリの花を初めて楽しみたい場合は、秋から球根を育てて花を咲かせてみませんか。