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ガーデニングでビオトープを作りたいけど、どんな植物を用意したらいいかわからないという方もいらっしゃいます。基本的にはどんな植物でもお好みでかまいませんが、水生植物は種類によって植え方が変わります。水生植物の分類をご紹介します。
沈水性
沈水性植物は、植物全体が水中に沈んだ状態で育成するものです。根、茎、葉を水中に沈めた状態で生活し、水中で花を咲かせるものや、花茎を伸ばして花だけ水上で咲かせるものがあります。
ビオトープで育てる場合は、根のあるものは鉢ごと水中に沈め、根のないものは鉛などを巻いて、浮き上がらないようにセットしてください。
キンギョモ、マツモ、オオカナダモ(アナカリス)などがこれにあたります。
浮葉性
根が水底の土の中にあり、そこから茎を伸ばして葉が水面に浮く植物です。水上まで茎を伸ばすのではなく、水面に葉を浮かすように茎を伸ばすのが特徴です。
ビオトープで育てる場合は、根の張った鉢ごと水中に沈めてください。
葉は水面の高さまで勝手に伸びていきます。
スイレン、アサザ、コウホネなどがこれにあたります。
浮遊性
植物全体が水面に浮き、根が水面下にある状態で育つ植物です。根は水中にあるものから水底の土まで伸びるものまで様々です。
水面に出ている部分が上に伸びるものは、その分根も深く垂れ下がり、バランスを崩して倒れないように調整しているようです。
ビオトープで育てる場合は、雨で増水して水があふれた際に、流れ出てしまわないように工夫が必要です。
ホテイソウ、サンショウモ、アマゾンフロッグピットなどの浮草類がこれにあたります。
抽水性
抽水生の植物は、比較的浅い部分に育ちます。
根を土の中に張り、そこから茎や葉を立ち上げ、水の上まで伸びていく植物です。
ビオトープで育てる場合は、土に植え付けた植物を鉢ごと水に沈めるとよいでしょう。
植え付ける土が水中にあるため、植え付ける際に浮き上がらないことと、風で倒れてしまわないように、重めの鉢にしっかりと植え付けた方が安定します。
オモダカ、ガマ、ハスなどがこれにあたります。
湿地性
抽水性と似ていますが、抽水性よりも地面に近い部分に生えていて、根の部分が水に浸っても問題なく、それ以外の部分は水位が増さない限りは水に浸からない場所で育ちます。
ビオトープで育てる場合は、抽水性植物と同様に、しっかり根を張らせ、風で倒れないように注意しましょう。
セリ、ミズトクサ、ミズバショウなどがこれにあたります。
それ以外
ビオトープを飾る植物は、水生植物だけではありません。
木陰を作るために、鉢植えなどをそばに配置したり、水を張る入れ物の周囲に置いて、目隠しにしたり、様々な植物を利用することができます。
アヤメとカキツバタはよく似ていますが、アヤメは多湿を嫌うため普通の土で育てますが、カキツバタは湿地を好みます。さらによく似たハナショウブは、湿地でも乾燥地でも大丈夫です。
また抽水性の植物のウォーターコインは、ランナーを伸ばして水から這い出して、地面に根を下ろすとそのままどんどん広がっていきます。
浮葉性植物のホテイソウは、鉢植えでも育てられます。
このように、育成条件がそれほどシビアではない植物もあるので、まずはビオトープをどのような環境で作成するかを考え、それに見合う植物を選んでいきましょう。

