バラを育てる上で、最も困るのが害虫と病気の2つではないでしょうか?
どちらも、予防や駆除の方法もありますが、100%完全に防ぐことが出来ないのも実情です。私も毎年必ず被害を出してしまっていますが、出来る限り被害を最小限に食い止める方法を解説致します。
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カミキリムシ 別名テッポウムシ
害虫強敵度レベル3:発見と同時に捕殺が必要で、バラの生死に関わる害虫
何といっても、バラの害虫で最も凶悪な害虫がこのカミキリムシです。通勤前で時間がなかろうが、雨が降っていようがカミキリムシの成虫を発見したら必ず捕殺して欲しいレベルです。
でも捕まえたカミキリムシの成虫を気味悪がって、生きたままビニール袋に入れても、そのビニールを食い千切って逃げ出してしまいます。その為必ず物理的に対処するか殺虫剤等の薬剤で始末しなければなりませんので徹底的にやっつけてください。
カミキリムシ被害のメカニズム
カミキリムシの成虫の発生時期は、5月~11月に掛けて2回ほどピークがありますが、夏場にはあまり見かけなくなります。でも実はカミキリムシの脅威は、成虫ではなく幼虫にあります。カミキリムシ被害のメカニズムとしては、先ずカミキリムシの成虫がバラの幹に産卵し、その卵から孵化した幼虫が、株元の茎に穴を開けて入り込んでバラの幹を食い漁りバラの株そのものをダメにしてしまいます。
そうやってカミキリムシの幼虫がバラの幹を食い散らかすと、株の根元に「おが屑」みたいなものが出来ています。これはカミキリムシの幼虫の糞なのですが、この「おが屑」を見つけたら、既に被害が発生している証拠となります。
その場合、その株元を見てみてください。きっと直径1cm程の穴があいているところがあるはずです。その中にカミキリムシの幼虫がいますので、その穴の中を針金で指すのが最も効果的で直接的な駆除方法となります。しかしながら私には気持ち悪くて出来ませんので、市販の薬剤注入をして対処しています。
もし1匹でもいたら他にもいる可能性がありますので、その後も数日は注意深く「おが屑」が発生していないか観察してください。
カミキリムシの幼虫は茎の中で活動する習性の為、普段は姿を見ることが出来ません。その為に、カミキリムシの幼虫を駆除するには被害が発生した後にその痕跡から探し出すという事後対応が必要となります。
カミキリムシの事前対策はあるのか?
少しでも被害を発生させないための特効薬はありませんので地道な対応が必要です。
成虫対策としては、
①見つけ次第捕殺
②定期的な害虫駆除の薬剤散布
③枯れ枝の排除
④丈夫なバラにする
などの対策があります。特に枯れ枝があるとそこにカミキリムシが産卵する可能性が高くなりますので早めに剪定してください。但し結局カミキリムシの成虫は外から飛んできますので、見つけ次第始末することを地道に繰り返してください。
また幼虫対策としては、
①丈夫なバラにする
くらいです。
でも、出来るだけ早く発見する為に、株元の雑草類は直ぐに抜くこと(美的にもOK)をお勧めします。
接木部分を土に埋めるかどうかは色々と意見が別れるようですね。
あと、バラそのものに元気があれば、ある程度寄生を防げますので元気に育てるのが一番の対策かも知れません。
カミキリムシの対応薬剤
園芸用キンチョール、スミチオン乳剤、ベニカ水溶剤などを定期的に散布しますが、幹に産卵しますので、通常の葉だけでなく幹にもしっかりと散布することを心掛けてください。
*薬剤散布に関しては、「適用植物の確認」、「周辺環境に注意」、「適用希釈を守る」の3点に注意して実施してください。薬害やご近所トラブル予防にもなります。