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近頃ガーデニングで苔玉を作る方が増えてきています。
インテリアとして風通しのよいお部屋に飾っても素敵ですよね。
そこで苔玉に向いている苔や作り方、管理の方法をご紹介します。
目次
苔玉に向いている苔
ハイゴケ
苔玉でもっともよく使われる苔です。
田んぼや草むらなどに自生し、半日陰の環境を好みます。
黄緑色で、乾燥すると茶色に変色しますが、極端に縮れることはありません。
比較的どのような土でも育ちます。
ヤマゴケ
ホソバオキナゴケやアラハシラガゴケのことです。
低地や山地の木の根元あたりに半球状のコロニーを作り自生しています。
比較的乾燥に強く、半日陰の環境を好みます。
シノブゴケ
日陰から半日陰の湿った場所に自生しています。
シダ植物の「シノブ」に似ているため名づけられました。
茎が横にはうように成長し、葉は羽状に広がります。
崩れにくいため苔玉には向いていますが、乾燥には弱いので注意が必要です。
ツヤゴケ
岩場や木の根元に自生し、半日陰の環境を好みます。
深緑色をした、つやのある苔です。
湿度があるとより一層緑色が美しくなります。
横にはうようにのび、葉の先は三角形をしています。
苔玉の基本的な作り方
苔玉で育てる植物は、主に観葉植物や園芸植物です。
基本的にはお好みの植物を育てられるのですが、多肉植物など乾燥した環境を好む植物はあまり向いていません。
苔玉作りに慣れてから挑戦しましょう。
準備するもの
・育てたい植物の苗
・土(ケト土・赤玉土・燻炭または富士砂)
・霧吹き
・針金2~3cm
・糸
・ハサミ
・ビニールシート
・バケツ
手順
苔玉用に販売されている土もありますが、ここでは土作りから始めましょう。
1.最初に土3種類を混ぜます。
つなぎ目としての役割のあるケト土が5~7割、通気性・保水性に優れた赤玉土と根腐れ防止のための燻炭や富士砂を同割合です。
2.ある程度まとまりが出てきたら、霧吹きなどで少しづつ水を加えてさらにこねていきます。
耳たぶくらいのかたさでつやが出てきたら土の完成です。
3.育てる植物の苗をポットから取り出し、根元の土をほぐしていきます。
苔玉の丸い形にするため、角を落とすようにしましょう。
4.ビニールシートに土を5mmほどの厚さに丸く広げます。
その広げた土の中央に植物の苗を置き、ビニールシートで丸い形に包みます。
5.苔に霧吹きなどで水をかけて、じゅうぶん湿らせておきます。
その後、丸めやすいようにハサミで苔の真ん中あたりまで切り込みをいれておきます。
6.苔を裏面を上にして広げます。
その中央に丸めた土を置きます。
7.おにぎりを握るようにして、土に苔をしっかりと貼り付けます。
8.苔がはがれないように糸でぐるぐるに巻いていきます。
糸の最後は、U字の形にした針金に糸を巻き付け、苔玉に差し込みます。
見えないように苔玉の底がいいでしょう。
9.最後の水やりにはゴミを落とす役割もあります。
水をはったバケツに10分ほど入れて給水させましょう。
引き上げた後は、しっかり水気を切ってください。
育て方・管理
水やり
苔玉を触ってみて、乾いていたら水をあげます。
水をはったバケツに2、3分つけましょう。
植物の葉や花までつけてしまわないよう気をつけてください。
最初は空気の泡がでてきますが、それがなくなったら引き上げます。
苔玉を引き上げたあとは、水を軽く切りましょう。
苔は蒸れには弱いので、常に水浸しの状態は避けます。
苔玉の状態を観察して、水やりの感覚に慣れましょう。
ジョウロでの水やりは、苔が乾燥しすぎていた場合は水をはじいてしまうので苔玉にはバケツを使った水やりが基本となります。
湿気を好む植物の場合は、霧吹きなどを利用して水をやってもいいでしょう。
日当たり
苔の好む環境は木漏れ日が差すような場所や半日陰の場所です。
植物によっては日光を好む性質があるかもしれないので、置く場所には考慮が必要です。
また苔は通気性を好みますので、風通しの良いところに置きます。
適しているのは庭や屋上です。
ただし直射日光に当たりすぎると葉焼けや水切れを起こしてしまいますので、
明るくて日陰ができる場所を探しましょう。
肥料
苔には肥料は要りません。
光と水が適度にあれば育つので、肥料をやると逆に枯れてしまう可能性があります。
苔玉で育てている植物に対しても、株を大きくする必要もないので基本的には要りません。
気になるようでしたら、水をはったバケツに液肥をごく少量いれて苔玉をつけます。
冬にやるのは避け、春か秋に行いましょう。

