近年シンボルツリーとして人気のオリーブ。大きな鉢に寄せ植えをする際に、オリーブを中心に周りに花を植えている方も多く見かけます。丈夫で育てやすく常緑のオリーブは、ガーデニングの初心者からベテランの方まで幅広く楽しめる木のひとつです。そんなオリーブですが、実がなったという方は少ないのでは?オリーブを実らせるためのコツをご紹介します。
目次
1本ではならない
オリーブは自家不結実性といって、自分の花粉では受粉しません。受粉するためには別の種類のオリーブの花粉が必要です。たくさんの種類があるオリーブの中には、ルッカやアルベキナのように自家結実するものもあります。ただ、自家結実する種類のオリーブでも、自分の花粉よりほかの木の花粉の方が結実性が高まります。
観賞用としてオリーブを育てている場合は1本でもかまいませんが、実をならせてみたいとお考えの場合は、少なくとも2品種以上のオリーブを植えましょう。
種類によって花の咲く時期が違う
オリーブは、その種類によって花の咲く時期が違います。2本以上植えているのに実がならないという方は、もしかしたら花の時期がずれすぎているのかもしれません。最初の木の花が終わってから次の木の花が咲いても受粉することができないので、花の咲く時期も確認しておきましょう
オリーブにもたくさんの種類がありますが、中でもネバディロブランコ、マンザニロ、ルッカは早生品種になります。そのため、この三種はほかの品種と組み合わせるより、この三種同士で組み合わせる方が受粉のタイミングが合いやすくなります。特にネバディロブランコは花粉の量が多いので、受粉樹としてはオススメの品種になります。
長雨に注意
オリーブは風や虫などが花粉を運びますが、蜜がないため虫媒介はあまり期待できません。風媒介は強風や雨による影響を受けやすいです。日本の場合、多くの地域はオリーブの開花期の5~6月頃から梅雨入りしてきます。この時期に長雨に当ててしまうとせっかくの花粉が流されてしまい、受粉しにくくなってしまいます。鉢植えの場合は軒下などに移動させ、できるだけ雨に当てないように工夫しましょう。
剪定はよく考えてから
オリーブは新梢(新しく伸びた枝)の中間部に花芽を付けます。
花芽が分化するのは1月~2月頃です。
剪定の適期は2~3月頃です。
これらを念頭に置き、剪定する際は、樹幹に日を当てるため、混み合った内側を間引く程度。
樹形を整えるために新梢を切る場合は、先端から2節くらいまでにとどめる。
また、オリーブは根が浅いため、地植えの場合も鉢植えの場合も、支柱を立てて支えてやった方が安定します。まだ木が若いうちは、支柱がないと強風で根こそぎ倒れる場合があるので注意しましょう。
暖かい地域では難しい
オリーブは寒さに当たることで花芽を分化させます。花芽が分化する1月頃に、平均気温が10度以下になる地域でないと、花芽は分化しにくくなります。鉢植えの場合でも、冬場は屋内に取り込まず、外で十分な寒さに当ててあげましょう。
食べるのは大変
オリーブの実は、渋みが強く生では食べられません。食べるためには渋抜きをする必要があり、とても手間がかかります。実がならなくても常緑で美しい木ですので、シンボルツリーとしては高評価です。実がなれば嬉しいものですが、あまりせっかちにならずに気長にやりましょう。