アジサイはユキノシタ科の植物で、暑さ寒さにも強いため、日本中に植えられています。病害虫にも強く丈夫なため、ガーデニング初心者の方でも簡単に育てられます。100種類以上の園芸品種があるため、どなたでもお気に入りの花や色があるかと思います。そんなアジサイを、挿し木で増やすためのコツをご紹介します。
目次
ベストな時期を選ぶ
挿し木は挿し穂が持つエネルギーが、発根までになくならなければいつ行っても成功します。ただ、寒い時期は植物の活性が弱いため、発根までに時間がかかって成功率が下がります。暑い時期ですと、水分の蒸散が激しく、水を吸い上げるための根がないうちに乾燥してしまうので、成功率が下がります。そのため、挿し木の成功率を上げるためには、挿し穂のエネルギーが充実していて、温度と湿度の管理が簡単な時期がベストということになります。
挿し木を行うベストな時期は、6月から7月です。この時期は気温もやや高めで安定し、急激に寒くなることもなく、梅雨の時期なのである程度の湿度も保たれています。4月頃に新芽を出して葉を広げ始めるので、この頃になれば挿し穂のエネルギーも充実しています。そのため、一年の中でもっとも挿し木の成功率が高い時期と言えます。
挿し穂の選び方
挿し穂は基本的にはどの部分を選んでもかまいませんが、枝のどの部分を選ぶかによって成功率が変わってきます。挿し穂は最低でも2節必要ですが、ベストは3節以上です。節というのは、まっすぐな枝から左右に葉が広がっている部分です。
挿し穂の準備をする際は、一番上の葉を残し、その下の葉は切り落とします。葉が大きいと水分の蒸散が多くなるので、葉が大きいようなら半分に切ります。
アジサイは茎の切り口と節の部分から根が出やすいので、土に挿すときは、最低でも1節以上が土に埋まるように挿します。このとき、土に埋まる部分の切り口は、斜めに切っておきましょう。斜めに切ると、まっすぐに切ったときよりも断面積が大きくなるので、水の吸い上げも良くなり、成功率が上がります。
挿したらいじらない
アジサイの挿し木の成功率を上げるためには、挿してからの管理も重要です。明るい日陰程度の明るさがあり、温度と湿度を保ちながら管理しますが、このとき挿し穂が風などで動かないことが重要です。直射日光が当たらない場所であれば、半透明の衣装ケースなどで管理すると簡単です。この場合、あまり日当たりが良い場所に置くと、ケースの中が高温になって蒸れてしまいますので、ケースの置き場所には注意が必要です。
使用する用度は、赤玉土や鹿沼土、川砂やバーミキュライトなど、水はけが良く肥料分のないものであれば大丈夫です。
気軽に挑戦してみましょう
アジサイは元々生命力が強く、切花にして花瓶に挿しておいても根が出てきます。この場合、水挿しで出てきた根は、土から水分を吸い上げる力が弱いので、しばらくは土をやや湿らせた状態で管理し、土から水を吸い上げる力の強い根が出てくるのを待ちましょう。
切花を挿し穂にする場合は、花の部分を切り落とし、一番下の部分は斜めに切りなおしてから使用します。
アジサイの挿し木は、初心者の方でも成功率は高いので、挿し木の練習と思って気軽に挑戦してみましょう。